不動産コンサルティングの住宅比較株式会社

スタッフブログ

2022.02.15

宅建勉強2月15日(火)

問27

宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 広告の表示が実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるようなものであっても、誤認による損害が実際に発生していなければ、監督処分の対象とならない。
  2. 宅地建物取引業者は、建築確認申請中の建物について、建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。
  3. 宅地建物取引業者は、宅地の造成工事の完了前においては、当該造成工事に必要とされる許可等の処分があった後であれば、当該宅地の販売に関する広告をすることができる。
  4. テレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり、規制の対象とならない。

解説

  1. “広告の表示が実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるようなものであっても、誤認による損害が実際に発生していなければ、監督処分の対象とならない。”誤り。誇大広告、虚偽広告、おとり広告等を行うこと自体が宅建業法32条に違反する行為であり、実際に損害がない場合でも、誇大広告を行った時点で監督処分の対象となることがあります(宅建業法65条1項・2項)。
  2. “宅地建物取引業者は、建築確認申請中の建物について、建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。”誤り。工事完了前の物件については、建築確認を受けた後でなければ、当該工事に係る建物に関する広告をしてはいけません。建築確認申請中である旨を表示したとしてもダメです(宅建業法33条)。
  3. “宅地建物取引業者は、宅地の造成工事の完了前においては、当該造成工事に必要とされる許可等の処分があった後であれば、当該宅地の販売に関する広告をすることができる。”[正しい]。宅地の造成工事を伴う物件については、宅地造成規制法の工事の許可等を受ければ広告を開始することができます(宅建業法33条、施行令2条の5第16号)。宅地に係る開発許可や建物に係る建築確認と同じ考え方です。
  4. “テレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり、規制の対象とならない。”誤り。宅地建物取引業法では広告媒体の種類について特に範囲を定めていません(解釈運用の考え方-第32条関係)。よって、テレビ・インターネットを利用した広告であっても規制の対象となります。
    したがって正しい記述は[3]です。
2022.02.14

宅建勉強2月14日(月)

問20

土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 市町村が施行する土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合においては、その差額に相当する金額を、従前の宅地に存する建築物について賃借権を有する者に対して支払わなければならない。
  2. 施行者は、仮換地を指定した時に、清算金を徴収し、又は交付しなければならない。
  3. 換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。
  4. 土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、災害を防止し、及び衛生の向上を図るために宅地の地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合は、その換地計画に係る区域内の地積が小である宅地について、過小宅地とならないように換地を定めることができる。

解説

  1. “市町村が施行する土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合においては、その差額に相当する金額を、従前の宅地に存する建築物について賃借権を有する者に対して支払わなければならない。”誤り。地方公共団体・国土交通大臣・独立行政法人等が行う公共施行において、土地区画整理事業の施行後の宅地の価額の総額が、土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合には、施行者は、従前の宅地の所有者とその宅地について地上権・賃借権その他使用収益できる権利を持つ者に対して、その差額を減価補償金として交付しなければなりません(土地区画整理法109条)。
    減価補償金の交付対象は宅地について使用収益できる権利を持つ者ですので、借地権を有する者は対象となりますが、宅地上の建物を賃借しているだけの者には交付されません。
  2. “施行者は、仮換地を指定した時に、清算金を徴収し、又は交付しなければならない。”誤り。換地により、従前の宅地と換地の資産価値に不均衡が生じる場合には、その差を金銭で精算する旨を換地計画に定めることになります。これが「清算金」です。清算金の徴収と交付は、換地処分の公告があったときに行います(土地区画整理法110条1項)。仮換地の指定時にも、仮清算として、仮清算金を徴収または交付できますが、実施は任意なので、しなければならないとする本肢は誤りです(土地区画整理法102条1項)。
  3. “換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。”[正しい]。換地計画において換地を定める場合においては、換地と従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければなりません(土地区画整理法89条1項)。換地は、可能な限り従前の宅地と同一条件になるようにするという原則です。
  4. “土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業の換地計画においては、災害を防止し、及び衛生の向上を図るために宅地の地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合は、その換地計画に係る区域内の地積が小である宅地について、過小宅地とならないように換地を定めることができる。”誤り。換地は、それぞれの従前の宅地に対して照応するように施行者が定めることが原則です。しかし、地積が小さい宅地につき地積の規模を適正にする特別な必要があると認められる場合においては、地方公共団体・国土交通大臣・独立行政法人等が行う公共施行に限り、土地区画整理審議会の同意を得て、過小宅地とならないように(一定の地積以上の宅地となるように)換地を定めることができます(土地区画整理法91条1項)。
    本肢は組合施行ですので、この規定を使って換地計画を作成することはできません。判例では、組合施行は必ずしも公共性の高い事業とは言えず、多数決によって施行されるため、多数派である小規模宅地の所有者の利益のために、少数派である大規模宅地の所有者が犠牲となる可能性があることを示しています(東京高裁平21.7.30)。
    したがって正しい記述は[3]です。
2022.02.13

宅建勉強2月13日(日)

問8

1億2,000万円の財産を有するAが死亡した場合の法定相続分についての次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものの組み合わせはどれか。

  1. Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。
  2. Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合の法定相続分は、B及びCがそれぞれ3,000万円、Dが6,000万円である。
  3. Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、それぞれ4,000万円である。
  4. Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合の法定相続分は、E及びFがそれぞれ3,000万円、Gが6,000万円である。
  1. ア、ウ
  2. ア、エ
  3. イ、ウ
  4. イ、エ

解説

アとイ、ウとエは同じ事例なので、それぞれの場合を考えます。

【Aの長男の子B及びC、Aの次男の子Dのみが相続人になる場合】

代襲相続では、被代襲者の相続分を引き継ぎます。BとCは長男の相続分を引き継ぎ、それを2分の1ずつ分けます。一方、Dは次男の相続分をそのまま引き継ぎます。よって、BとCの法定相続分は各「1億2,000万円×1/2×1/2=3,000万円」、Dの法定相続分は「1億2,000万円×1/2=6,000万円」となります。
したがって正しい記述は「イ」です。

【Aの父方の祖父母E及びF、Aの母方の祖母Gのみが相続人になる場合】

直系尊属が法定相続人となる場合は、父と母を代襲相続するという概念がなく単純に頭数で均等配分されます。よって、E・F・Gの法定相続分は各「1億2,000万円×1/3=4,000万円」となります。
したがって正しい記述は「ウ」です。

以上より正しいものの組み合わせは「イ、ウ」です。

2022.02.12

宅建勉強2月12日(土)

問30

宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。
  2. 保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。
  3. 保証協会に加入している宅地建物取引業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。
  4. 保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。

解説

  1. “本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。”誤り。弁済業務保証金分担金の額は、本店が60万円、支店が1つにつき30万円です(施行令7条)。よって、本肢のケースにおける弁済業務保証金分担金の額は「60万円+30万円×3=150万円」です。
  2. “保証協会の社員又は社員であった者が、当該保証協会から、弁済業務保証金の還付額に相当する還付充当金を当該保証協会に納付すべき旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該保証協会に納付しなければならない。”[正しい]。供託所で弁済業務保証金の還付があったとき、保証協会は、当該社員(社員であった者も含む)に対し、その還付額に相当する還付充当金を保証協会に納付すべきことを通知します。そして、当該通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければなりません(宅建業法64条の10第1項・第2項)。
  3. “保証協会に加入している宅地建物取引業者は、保証を手厚くするため、更に別の保証協会に加入することができる。”誤り。ある保証協会の社員である宅地建物取引業者は、他の保証協会の社員になることはできません(宅建業法64条の4第1項)。
  4. “保証協会の社員(甲県知事免許)と宅地建物取引業に関し取引をした者が、その取引により生じた債権に関し、当該保証協会が供託した弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、弁済を受けることができる額について甲県知事の認証を受ける必要がある。”誤り。宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金から弁済を受けることができます。弁済業務保証金について弁済を受ける権利を実行しようとするときは、当該保証協会の認証を受けるとともに、供託所へ還付請求をする必要があります(宅建業法64条の8第2項)。免許権者の認証ではありません。
    したがって正しい記述は[2]です。
2022.02.11

宅建勉強2月11日(金)

問27

宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 広告の表示が実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるようなものであっても、誤認による損害が実際に発生していなければ、監督処分の対象とならない。
  2. 宅地建物取引業者は、建築確認申請中の建物について、建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。
  3. 宅地建物取引業者は、宅地の造成工事の完了前においては、当該造成工事に必要とされる許可等の処分があった後であれば、当該宅地の販売に関する広告をすることができる。
  4. テレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり、規制の対象とならない。

解説

  1. “広告の表示が実際のものよりも著しく優良又は有利であると人を誤認させるようなものであっても、誤認による損害が実際に発生していなければ、監督処分の対象とならない。”誤り。誇大広告、虚偽広告、おとり広告等を行うこと自体が宅建業法32条に違反する行為であり、実際に損害がない場合でも、誇大広告を行った時点で監督処分の対象となることがあります(宅建業法65条1項・2項)。
  2. “宅地建物取引業者は、建築確認申請中の建物について、建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。”誤り。工事完了前の物件については、建築確認を受けた後でなければ、当該工事に係る建物に関する広告をしてはいけません。建築確認申請中である旨を表示したとしてもダメです(宅建業法33条)。
  3. “宅地建物取引業者は、宅地の造成工事の完了前においては、当該造成工事に必要とされる許可等の処分があった後であれば、当該宅地の販売に関する広告をすることができる。”[正しい]。宅地の造成工事を伴う物件については、宅地造成規制法の工事の許可等を受ければ広告を開始することができます(宅建業法33条、施行令2条の5第16号)。宅地に係る開発許可や建物に係る建築確認と同じ考え方です。
  4. “テレビやインターネットを利用して行う広告は、新聞の折込チラシや配布用のチラシと異なり、規制の対象とならない。”誤り。宅地建物取引業法では広告媒体の種類について特に範囲を定めていません(解釈運用の考え方-第32条関係)。よって、テレビ・インターネットを利用した広告であっても規制の対象となります。
    したがって正しい記述は[3]です。
2022.02.10

宅建勉強2月10日(木)

問15

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。
  2. 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。
  3. 都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。
  4. 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。

解説

  1. “市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。”誤り。都市施設のうち、市街化区域または非線引き区域内に少なくとも定めることが必要とされているのは道路、公園及び下水道です(都市計画法13条1項11号)。本肢は、「公園」が不足しており「病院」が余分です。
  2. “市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。”[正しい]。市街地開発事業は、市街化区域または非線引き区域内のみ定めることができます(都市計画法13条1項12号)。市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域であって、市街地開発事業を定めるとそれに矛盾が生じるからです。
  3. “都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。”誤り。都市計画区域を指定するのは都道府県です。指定の際には、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければなりません(都市計画法5条3項)。
  4. “準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。”誤り。高度地区は、建築物の高さを制限する地区で、準都市計画区域に定めることができます(都市計画法8条2項)。
    ちなみに、似た名称ですが「高度利用地区」は準都市計画区域に定めることができません。準都市計画区域は、現状の土地利用を整序し、環境を保存するために定められるので、都市化する高度利用とは馴染みませんよね。このヒッカケは頻出ですので覚えておきましょう。
2022.02.09

宅建勉強2月9日(水)

問14

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
  2. 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、分筆の登記をすることができない。
  3. 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
  4. 登記の申請書の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。

解説

  1. “表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、当該表示に関する登記を申請することができる。”正しい。①表題部所有者、②所有権の登記名義人のいずれかが表示に関する登記の申請人となることができる場合において、その者について相続その他の一般承継があった場合、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができます(不動産登記法30条)。
  2. “所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、分筆の登記をすることができない。”[誤り]。所有権以外の権利に関する登記がある土地でも分筆できます。この場合、登記記録には分筆前の土地全部がその権利の目的である旨が記録されます(不動産登記規則102条)。例えば抵当権が登記されている土地を分筆すると、共同抵当となり、1つの債務につき2筆の土地が担保となります。
    逆に「所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地」を合筆することはできません。
  3. “区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。”正しい。区分建物の登記は、その建物一棟全体の登記記録(表題部のみ)と専有部分ごとの登記記録から成ります。本肢は条文のままなので非常にわかりづらいですが、「区分建物が属する一棟の建物」が建物全体で、「区分建物」が各専有部分に対応します。一棟の建物の表題登記をするときに、各区分建物(専有部分)の表題登記も併せて申請することになっています(不動産登記法48条1項)。
  4. “登記の申請書の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。”正しい。登記の申請があると、登記官は、提出された登記の申請書および添付書面その他の登記簿の附属書類を帳簿に保存します(不動産登記規則17条)。保存された登記簿の附属書類のうち、一定の図面に関しては誰でも閲覧を請求できますが、申請書を含む図面以外の部分については、請求人が利害関係を有する部分に限り、閲覧を請求することができます(不動産登記法121条2項)。
    したがって誤っている記述は[2]です。
2022.02.08

宅建勉強2月8日(火)

問14

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
  2. 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、分筆の登記をすることができない。
  3. 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
  4. 登記の申請書の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。

“表題部所有者が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者について相続があったときは、その相続人は、当該表示に関する登記を申請することができる。”正しい。①表題部所有者、②所有権の登記名義人のいずれかが表示に関する登記の申請人となることができる場合において、その者について相続その他の一般承継があった場合、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができます(不動産登記法30条)。
“所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地については、分筆の登記をすることができない。”[誤り]。所有権以外の権利に関する登記がある土地でも分筆できます。この場合、登記記録には分筆前の土地全部がその権利の目的である旨が記録されます(不動産登記規則102条)。例えば抵当権が登記されている土地を分筆すると、共同抵当となり、1つの債務につき2筆の土地が担保となります。
逆に「所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地」を合筆することはできません。“区分建物が属する一棟の建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。”正しい。区分建物の登記は、その建物一棟全体の登記記録(表題部のみ)と専有部分ごとの登記記録から成ります。本肢は条文のままなので非常にわかりづらいですが、「区分建物が属する一棟の建物」が建物全体で、「区分建物」が各専有部分に対応します。一棟の建物の表題登記をするときに、各区分建物(専有部分)の表題登記も併せて申請することになっています(不動産登記法48条1項)。
“登記の申請書の閲覧は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。”正しい。登記の申請があると、登記官は、提出された登記の申請書および添付書面その他の登記簿の附属書類を帳簿に保存します(不動産登記規則17条)。保存された登記簿の附属書類のうち、一定の図面に関しては誰でも閲覧を請求できますが、申請書を含む図面以外の部分については、請求人が利害関係を有する部分に限り、閲覧を請求することができます(不動産登記法121条2項)。
したがって誤っている記述は[2]です。

2022.02.07

宅建勉強2月7日(月)

問9

地役権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 地役権は、継続的に行使されるもの、又は外形上認識することができるものに限り、時効取得することができる。
  2. 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。
  3. 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を負担する。
  4. 要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。

解説

  1. “地役権は、継続的に行使されるもの、又は外形上認識することができるものに限り、時効取得することができる。”[誤り]。時効取得できる地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限ります(民法283条)。本肢は「又は」としているので誤りです。
  2. “地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。”正しい。地役権は、自分の土地の便益のために他人の土地を利用できる権利です。甲土地が乙土地のために便益を提供する場合、便益を提供する甲土地を承役地(しょうえきち)、地役権者が所有し便益を受ける乙土地を要役地(ようえきち)と言います。承役地は利用される側、要役地は利用する側と考えればOKです。
    地役権者は、地役権設定契約の定めに従って、承役地を要役地の便益のために利用できるので、本肢は適切な記述です(民法280条)。
  3. “設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を負担する。”正しい。承役地の所有者の特定承継人とは、承役地を買い受けた人などです。地役権の設定やその後の契約で、承役地の所有者が工作物設置・修繕義務を負担する定めがあるときは、承役地の所有者の特定承継人もその義務を承継します(民法286条)。ただし、地役権者がその義務の存在を特定承継人に対抗するためには、その旨の登記をする必要があります。
  4. “要役地の所有権とともに地役権を取得した者が、所有権の取得を承役地の所有者に対抗し得るときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗することができる。”正しい。地役権には所有権への付従性があり、特段の定めのない限り所有権の移転に伴って移転します(民法281条1項)。要役地の取得者は、その要役地について所有権移転登記をして対抗要件を備えれば、地役権の取得についても第三者に対抗することができます(大判大13.3.17)。
    よって、要役地を取得した者が所有権の取得を対抗できるときは、地役権の取得についても承役地の所有者に対抗できます。
    したがって誤っている記述は[1]です。

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