スタッフブログ
宅建勉強11月25日(木)
住宅比較株式会社の吉田です。
所得税法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 譲渡所得の特別控除額(50万円)は、譲渡益のうち、まず、資産の取得の日以後5年以内にされた譲渡による所得で政令で定めるものに該当しないものに係る部分の金額から控除し、なお控除しきれない特別控除額がある場合には、それ以外の譲渡による所得に係る部分の金額から控除する。
- 譲渡所得の金額の計算上、資産の譲渡に係る総収入金額から控除する資産の取得費には、その資産の取得時に支出した購入代金や購入手数料の金額は含まれるが、その資産の取得後に支出した設備費及び改良費の額は含まれない。
- 建物の全部の所有を目的とする土地の賃借権の設定の対価として支払を受ける権利金の金額が、その土地の価額の10分の5に相当する金額を超えるときは、不動産所得として課税される。
- 居住者がその取得の日以後5年以内に固定資産を譲渡した場合には、譲渡益から譲渡所得の特別控除額(50万円)を控除した後の譲渡所得の金額の2分の1に相当する金額が課税標準とされる。
- 譲渡所得の特別控除額(50万円)は、譲渡益のうち、まず、資産の取得の日以後5年以内にされた譲渡による所得で政令で定めるものに該当しないものに係る部分の金額から控除し、なお控除しきれない特別控除額がある場合には、それ以外の譲渡による所得に係る部分の金額から控除する。”[正しい]。総合課税の譲渡所得では特別控除額(最高50万円)を譲渡益から差し引いて所得を計算します。短期・長期の両方がある場合には、特別控除額をまず資産の取得の日以後5年以内にされた譲渡による所得(短期譲渡所得)から控除し、その後にそれ以外の譲渡による所得(長期譲渡所得)から控除します(所得税法33条4項)。
- “譲渡所得の金額の計算上、資産の譲渡に係る総収入金額から控除する資産の取得費には、その資産の取得時に支出した購入代金や購入手数料の金額は含まれるが、その資産の取得後に支出した設備費及び改良費の額は含まれない。”誤り。譲渡所得は「譲渡収入-(取得費+譲渡費用)」の式で算出します。取得費は「その資産の取得に要した金額・設備費・改良費の合計額」ですので、売った土地建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます(所得税法38条1項)。
- “建物の全部の所有を目的とする土地の賃借権の設定の対価として支払を受ける権利金の金額が、その土地の価額の10分の5に相当する金額を超えるときは、不動産所得として課税される。”誤り。借地権設定の対価として支払いを受ける権利金の額が、土地の価額の10分の5に相当する金額を超えるときは、資産の譲渡とみなされ譲渡所得として課税されます。不動産所得ではありません(所得税法施行令79条1項1号)。
- “居住者がその取得の日以後5年以内に固定資産を譲渡した場合には、譲渡益から譲渡所得の特別控除額(50万円)を控除した後の譲渡所得の金額の2分の1に相当する金額が課税標準とされる。”誤り。譲渡所得は、取得したときから譲渡した日までの所有期間を基準に短期譲渡所得と長期譲渡所得に区分されます。所有期間が5年以内ならば短期、5年超ならば長期となります。総所得金額に算入するときに2分の1にするのは長期譲渡所得だけです(所得税法22条2項2号)。本肢は「所有期間5年以内」なので短期譲渡所得となり、2分の1はしません。
宅建勉強11月24日(水)
住宅比較株式会社の吉田です。
宅地造成等規制法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
- 宅地造成工事規制区域内において、宅地を造成するために切土をする土地の面積が500㎡であって盛土を生じない場合、切土をした部分に生じる崖の高さが1.5mであれば、都道府県知事の法第8条第1項本文の工事の許可は不要である。
- 都道府県知事は、法第8条第1項本文の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない。
- 都道府県知事は、一定の場合には都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)の規則で、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の技術的基準を強化し、又は付加することができる。
- 都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成工事規制区域内で、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。
宅地造成工事規制区域内において、宅地を造成するために切土をする土地の面積が500㎡であって盛土を生じない場合、切土をした部分に生じる崖の高さが1.5mであれば、都道府県知事の法第8条第1項本文の工事の許可は不要である。”正しい。宅地造成に関する工事の許可が必要となるケースを確認しましょう。
- 切土で2m超の崖を生じるもの
- 盛土で1m超の崖を生じるもの
- 切土盛土を合わせて2m超の崖を生じるもの
- 切土盛土する土地面積が500㎡超
本肢は、切土する面積が500㎡(500㎡以下)、切土により生じる崖の高さが1.5m(2m以下)ですので、許可は不要となります(宅造法施行令3条)。“都道府県知事は、法第8条第1項本文の工事の許可の申請があった場合においては、遅滞なく、文書をもって許可又は不許可の処分を申請者に通知しなければならない。”正しい。宅地造成に関する工事の許可の申請があった場合には、都道府県知事は、遅滞なく、文書をもって許可または不許可の処分をしなければなりません(宅造法10条)。
“都道府県知事は、一定の場合には都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)の規則で、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事の技術的基準を強化し、又は付加することができる。”正しい。都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について、その地方の気候、風土又は地勢の特殊性により、所定の技術的基準のみによっては宅地造成に伴う崖崩れまたは土砂の流出の防止の目的を達し難いと認める場合においては、都道府県の規則で、①必要な技術的基準の強化や、②必要な技術的基準の付加をすることができます(宅造法施行令15条2項)。
“都道府県知事は、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成工事規制区域内で、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域であって一定の基準に該当するものを、造成宅地防災区域として指定することができる。”[誤り]。宅地造成防災区域は、宅地造成工事規制区域外の造成宅地について指定されます(宅造法20条1項)。よって、「宅地造成工事規制区域内で…指定できる」とする本肢は誤りです。
したがって誤っている記述は[4]です。
日経新聞 私の履歴書 中嶋悟 を読んで(24)

セナの死
ロータス・ホンダでチームメートだったアイルトン・セナについて、これまで何度質問を受けてきただろう。僕の英語力の問題もあるが、友達とか親友ではない。レースがある木曜から日曜にかけて、職場で会う同僚。それがF1の世界というもの。だから問いへの答えはいつも同じ。
「自分より運転がうまかった人、速く走れた人」
マクラーレンで同僚だったアラン・プロストとはいろいろこじれたみたいだけれど、僕とは問題なし。
競争相手からのアドバイス、アドバイスができることは凄いと思いました。相手を成長させ、自分をさらに高めることと感じたためです。
経験や確かな知識から相手に合ったアドバイスができるようになりたいと思います。
お客様に対しても、確かな情報を伝えられるよう勉強していこうと思います。
住宅比較株式会社 浦和 竹内智哉
日経新聞 私の履歴書 中嶋悟氏 を読んで(23)

チーム結成
引退後に何をするかは、後進のレーサーを育てることくらいしか頭になかった。引退の挨拶回りで近しい人たちと話をするうちに、「レース界に何か返さなきゃ」と、レーシングチーム結成の腹が固まっていった感じだった。
1992年にナカジマレーシングを立ち上げた。まず驚いたのはF3000(87年にF2から改称)のエンジンの賃料の高さ。
中嶋氏がチームを結成し後進の育成、運営を行った記事がありました。
運営に四苦八苦し、どこの会社のどの製品をつかうか、何で判断するかとういう際に、どれだけ熱量をもって取り組んでいるかが判断の材料になっていることがありました。
私も仕事でお客様に選ばれるための熱量を何で伝えられるか、お客様よりも多くの情報を持ち伝えられるかが判断の基準だと感じますので、お客様より多くの情報を得る努力をしていきます。
住宅比較株式会社 浦和 竹内智哉
宅建勉強11月23日(火)
住宅比較株式会社の吉田です。
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がある場合においても、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。
- 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によって消滅する。
- 法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
- 信託の登記は、受託者が単独で申請することができない。
解説
- “所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がある場合においても、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。”誤り。所有権の登記の抹消を登記名義人が単独ですることができるのは、所有権の移転の登記がない、すなわち所有権の保存登記のみであるときに限られます(不動産登記法77条)。移転登記があるときには、抹消により所有権を失う者と所有権を得る者が生じるので共同申請となります。
- “登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によって消滅する。”誤り。委任契約は委任者または受任者の死亡により終了しますが、登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によっては消滅しないことになっています(不動産登記法17条)。司法書士に登記を委任した依頼人が死亡してしまった場合でも、当該司法書士の代理人の権限は存続するので目的の登記を代理することができます。
- “法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。”[正しい]。法人が合併したことによる権利の移転の登記は、登記権利者が単独ですることができます。合併により登記義務者となる法人が消滅しているためです(不動産登記法63条2項)。
- “信託の登記は、受託者が単独で申請することができない。”誤り。信託は、自分の持っている財産を別の人に託して(所有者を名義上移して)運用・管理・処分してもらう契約です。信託財産に不動産が含まれるときには、分別管理及び信託契約の内容の記録のために、信託の登記を行わなければなりません(信託法34条1項)。
信託の登記は、共同申請させるべき合理的理由がないので、受託者(財産を預かる人)が単独で申請することができます(不動産登記法98条2項)。なお、信託に伴う権利の移転等の登記は共同申請です。
したがって正しい記述は[3]です。
日経新聞 私の履歴書 中嶋悟氏 を読んで(22)

3本柱
企業の熱い支援に感謝 バブル期 「日本の外へ」の気概共有
1970年代にレースをしていた頃、燃焼室の混合気を火花を散らして燃やすプラグが汚れると、NGKのガレージに持ちこんで掃除した。そこにいた「イトウ」という人が時々プラグをただでくれ、うれしくてNGKのステッカーを車に貼った。広告をつけて走る、僕のビジネスの最初は1本のプラグだった。それからどれだけのメーカー、スポンサー、サプライヤーに助けられてきたことか。
先見の明、時差を埋めるためにもがく
先を見越した考えや行動、方針、こういったことをきちんと読める方は凄いと思います。今では当たり前のことを最初に始めた方、現状を認識し周りとの差を理解しもがける方、そういう方の様になりたいと考えました。
情報が飛び交う昨今、お客様より多くの情報を掴める努力をしていこうと思います。
住宅比較株式会社 浦和 竹内智哉
宅建勉強11月22日(月)
住宅比較株式会社の吉田です。
Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)が令和3年7月1日に締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
- 本件契約について期間の定めをしなかった場合、AはBに対して、いつでも解約の申入れをすることができ、本件契約は、解約の申入れの日から3月を経過することによって終了する。
- 甲建物がBに引き渡された後、甲建物の所有権がAからCに移転した場合、本件契約の敷金は、他に特段の合意がない限り、BのAに対する未払賃料債務に充当され、残額がCに承継される。
- 甲建物が適法にBからDに転貸されている場合、AがDに対して本件契約が期間満了によって終了する旨の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から3月を経過することによって終了する。
- 本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約で、期間を5年、契約の更新がない旨を定めた場合、Aは、期間満了の1年前から6月前までの間に、Bに対し賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。
“本件契約について期間の定めをしなかった場合、AはBに対して、いつでも解約の申入れをすることができ、本件契約は、解約の申入れの日から3月を経過することによって終了する。”誤り。期間の定めのない建物賃貸借では、各当事者はいつでも解約も申入れをすることができます。このとき、賃貸人から解約申入れ(正当事由が必要)したときには申入れ日から6月を経過することによって終了、賃借人から解約申入れをしたときには申入れ日から3月を経過することによって終了するという違いがあります(借地借家法27条1項民法617条1項2号)。
本肢は、賃貸人Aからの解約申入れですから、解約申入れの日から6月を経過することによって契約終了となります。
“甲建物がBに引き渡された後、甲建物の所有権がAからCに移転した場合、本件契約の敷金は、他に特段の合意がない限り、BのAに対する未払賃料債務に充当され、残額がCに承継される。”[正しい]。建物賃貸借が対抗要件を備えている場合において建物の所有者が変わると、賃貸人の地位と敷金の返還に係る債務は当然に新所有者に承継されます(民法605条1項・4項)。この際、旧所有者に対する未払賃料等がある場合には、所有者の交代時に当然に敷金で精算され、残額のみが新所有者に承継されることになります(最判昭44.7.17)。
“甲建物が適法にBからDに転貸されている場合、AがDに対して本件契約が期間満了によって終了する旨の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から3月を経過することによって終了する。”誤り。建物が転貸されている場合に、原賃貸借契約が期間満了または解約の申入れで終了するときには、原賃貸人から転借人への通知が必要で、その通知から6月を経過することによって転貸借契約は終了します(借地借家法34条)。

“本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約で、期間を5年、契約の更新がない旨を定めた場合、Aは、期間満了の1年前から6月前までの間に、Bに対し賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。”誤り。期間1年以上の定期建物賃貸借では、賃貸人は、期間満了の1年前から6月前までの間に、賃借人に対して期間満了で賃貸借が終了する旨の通知をしなければなりません。所定の期間に通知をしなかったとしても(普通建物賃貸借のように)同一条件で更新したとみなされることはなく、賃貸人は通知期間後に改めて通知をすることで、通知をした日から6カ月経過後に契約を終了させることができます(借地借家法38条4項)。
したがって正しい記述は[2]です。
日経新聞 私の履歴書 中嶋悟氏 を読んで(21)

レーサー人生
示した「日本でトップ」の先 フィジカル重視の新世代台頭
昭和から平成に元号が変わった1989年は、天安門事件にベルリンの壁崩壊。年末の日経平均株価は3万8915円の史上最高値をつけ、バブル景気に沸いた。90年にイラクはクウェートに侵攻、91年は湾岸戦争の勃発、ソビエト連邦の崩壊もあった。
異国の地でテレビ画面を見ながら、あるいは英国の空港が軍隊に物々しく警備されるのを横目で見ながら、揺れ動く世界を実感した。
新世代の台頭、当時はこれまでが限界・ここまでできるものは他にはいないと思われていたことも、新しい切り口での訓練、新しい発想、時代の技術と新しいものを取り入れることでさらに成長できる。
仕事でも、既存のやり方にこだわり大切にしなければいけないことは多いと思いますが、新しい方法も取り入れることで、さらにお客様にプラスになる提案をしていける様になろうと思いました。
住宅比較株式会社 浦和 竹内智哉
宅建勉強11月21日(日)
住宅比較の吉田です。
AとBとの間で、Aを売主、Bを買主とする、等価値の美術品甲又は乙のいずれか選択によって定められる美術品の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が令和3年7月1日に締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、第三者Cを選択権者とする合意がなされた場合、Cが選択をすることができないときは、選択権はBに移転する。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、Aを選択権者とする合意がなされた後に、Aの失火により甲が全焼したときは、給付の目的物は乙となる。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについての選択権に関する特段の合意がない場合、Bが選択権者となる。
- 本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、第三者Dを選択権者とする合意がなされた場合、Dが選択権を行使するときは、AとBの両者に対して意思表示をしなければならない。
解答
本問のように、数個の異なった給付の中から選択によって定まる債権を「選択債権」と言います。例えば、以下のような内容が選択債権に該当します。
- 宅建試験に合格したら、持っている時計をあげるか、10万円をあげる
- 201号室と202号室のうちどちらかを貸す
- 今月生まれた子犬3頭のうち1頭を譲渡します
選択権者は契約等において決められているのが普通ですが、民法では合意がないときに誰が選択権者となるかや、給付の一部が履行不能になったときの取扱いについて規定を置いています。
- “本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、第三者Cを選択権者とする合意がなされた場合、Cが選択をすることができないときは、選択権はBに移転する。”誤り。第三者が選択権者となっている場合に、その第三者が選択することができない、または選択しない場合には、原則的な選択権者である債務者、すなわち売主Aに選択権が移ります(民法409条2項)。
- “本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、Aを選択権者とする合意がなされた後に、Aの失火により甲が全焼したときは、給付の目的物は乙となる。”[正しい]。選択権者の過失により一方の履行が不能になってしまった場合、選択権は残存するものについて存在します。したがって、甲が全焼したときは、必然的に残った乙が選択されることになります(民法410条)。
- “本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについての選択権に関する特段の合意がない場合、Bが選択権者となる。”誤り。選択債権の原則的な選択権者は債務者です。よって、特段の合意がなければ給付義務のある売主Aが選択権者となります(民法406条)。
- “本件契約において、給付の目的を甲にするか乙にするかについて、第三者Dを選択権者とする合意がなされた場合、Dが選択権を行使するときは、AとBの両者に対して意思表示をしなければならない。”誤り。第三者が選択権者となっている場合には、第三者は債権者または債務者に対する意思表示によって選択を行います。選択の意思表示は、売主Aまたは買主Bに行えばよいので「AとBの両者に対して」とする本肢は誤りです(民法409条1項)。
したがって正しい記述は[2]です。