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宅建勉強2月26日(土)
問37
宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 既存の建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項がない場合、確認した事項がない旨を37条書面に記載しなければならない。
- 代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
- 損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
- 宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。
解説
37条書面へ記載事項の一覧は次の通りです。

- “既存の建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項がない場合、確認した事項がない旨を37条書面に記載しなければならない。”[正しい]。既存建物であるときは、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項について記載しなければなりません(宅建業法37条1項2号の2)。当事者の双方が確認した事項がない場合は「無」と記載します(解釈運用の考え方-当事者の双方が確認した事項について)。
- “代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。”誤り。「代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定め」はあるときに限り、記載事項となります。よって、定めがない場合には記載不要です(宅建業法37条1項9号)。
- “損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。”誤り。「損害賠償額の予定又は違約金に関する定め」はあるときに限り、記載事項となります。よって、定めがない場合には記載不要です(宅建業法37条1項8号)。
- “宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがない場合、定めがない旨を37条書面に記載しなければならない。”誤り。「宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定め」はあるときに限り、記載事項となります。よって、定めがない場合には記載不要です(宅建業法37条1項12号)。
したがって正しい記述は[1]です。
宅建勉強2月25日(金)
問34
宅地建物取引業者(消費税課税事業者)が受けることができる報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。
- 宅地建物取引業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。
- 宅地建物取引業者が、事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。
- 宅地建物取引業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。
解説
- “宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。”正しい。宅地建物取引業者は、国土交通大臣による報酬告示によって定められた額を超えて報酬を受け取ってはいけません。相手方から同意があってもダメです(宅建業法46条1項・2項)。
- “宅地建物取引業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。”正しい。宅地建物取引業者が業務に関して不当に高額の報酬を要求する行為は禁止されています(宅建業法47条2号)。よって、要求した時点で宅建業法違反となります。
- “宅地建物取引業者が、事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。”正しい。権利金の授受がない宅地建物の貸借における報酬額の上限は「借賃の1月分+消費税相当額」となります。居住用建物の貸借では、媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、依頼者の一方から受ける金額は「借賃の0.5月分+消費税相当額」が限度となりますが、本肢のように事業用建物の場合はそのような制限がないので当事者双方からどのような割合で受け取っても問題ありません(報酬告示第四)。
- “宅地建物取引業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。”[誤り]。広告に要した費用のうち報酬額とは別途受領することができるのは、依頼者の特別の依頼によって行う広告の料金に相当する額に限られます。依頼者の依頼によらない広告の料金は宅地建物取引業者の負担となります(解釈運用の考え方-告示第九関係)。
したがって誤っている記述は[4]です。
宅建勉強2月24日(木)
問32
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
- 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。
- 宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。
- 宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。
解説
- “宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により指定された急傾斜地崩壊危険区域にあるときは、同法第7条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。”正しい。急傾斜地とは傾斜度が30度以上である土地のことで、都道府県知事は崩壊するおそれのある急傾斜地を「急傾斜地崩壊危険区域」に指定することができます。急傾斜地崩壊危険区域内で行う一定の行為は都道府県知事の許可を受ける必要を受けなければならないことになっています。
売買対象となる宅地建物または貸借の対象となる宅地が「急傾斜地崩壊危険区域内」に位置するときは、法令上の制限の1つとしてこの制限の概要を説明する必要があります(施行令3条1項23号)。 - “建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第7条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨を説明しなければならない。”正しい。取引対象となる宅地建物が「土砂災害警戒区域内」にあるときは、売買・交換・貸借を問わずその旨を説明する必要があります(施行規則16条4の3第2号)。区域名に「災害・防災」のキーワードが入っている場合は取引態様を問わず必要というのがパターンです。
- “宅地の貸借の媒介を行う場合、文化財保護法第46条第1項及び第5項の規定による重要文化財の譲渡に関する制限について、その概要を説明する必要はない。”正しい。宅地の貸借においては、重要文化財の譲渡に関する制限について説明する必要はありません(施行令3条2項)。重要文化財の譲渡に関する制限とは、重要文化財を有償で譲渡しようとする際に、まず国に対して売り渡す申出をしなければならないという文化財保護法上の制限です。
説明の必要があるのは宅地建物の売買・交換のみですので、本肢のように「宅地×貸借」のケースでは説明不要です。 - “宅地の売買の媒介を行う場合、当該宅地が津波防災地域づくりに関する法律第21条第1項により指定された津波防護施設区域内にあるときは、同法第23条第1項に基づく制限の概要を説明しなければならない。”正しい。「津波防護施設区域」とは、盛土構造物等の津波防護施設の敷地とそれを保全するために必要な区域で、津波防護施設管理者が指定します。津波防護施設区域内で行う一定の行為は津波防護施設管理者の許可を受けなければならないことになっています。
売買対象となる宅地建物または貸借の対象となる宅地が「津波防護施設区域内」にあるときは、法令上の制限の1つとしてこの制限の概要を説明する必要があります(施行令3条1項20号の2)。
なお、重説で津波に関連するものとして「津波災害警戒区域」に位置している旨がありますが、こちらは防災上の説明なので全ての取引で必要となります。
したがって正しいものは「四つ」です。
宅建勉強2月23日(水)
問29
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者(甲県知事免許)が、乙県内に新たに事務所を設置して宅地建物取引業を営むため、国土交通大臣に免許換えの申請を行い、その免許を受けたときは、国土交通大臣から、免許換え前の免許(甲県知事)の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする免許証の交付を受けることとなる。
- 宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったため、乙県知事に登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請をしたときは、乙県知事から、有効期間を5年とする宅地建物取引士証の交付を受けることとなる。
- 宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に所在する建物の売買に関する取引において宅地建物取引士として行う事務に関し不正な行為をし、乙県知事により事務禁止処分を受けたときは、宅地建物取引士証を甲県知事に提出しなければならない。
- 宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、乙県内で一団の建物の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において建物の売買の契約を締結し、又は契約の申込みを受ける場合、国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならない。
分野
科目:E – 宅地建物取引業法等
細目:1 – 宅地建物取引業・免許
解説
- “宅地建物取引業者(甲県知事免許)が、乙県内に新たに事務所を設置して宅地建物取引業を営むため、国土交通大臣に免許換えの申請を行い、その免許を受けたときは、国土交通大臣から、免許換え前の免許(甲県知事)の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする免許証の交付を受けることとなる。”誤り。免許換えは新たに免許を受ける手続きと同じなので、免許換え後は有効期間5年間の免許が交付されて従前の免許は失効します(宅建業法3条2項)。宅地建物取引士の登録移転時のように残存期間を有効期間とする免許が交付されるわけではありません。
- “宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったため、乙県知事に登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請をしたときは、乙県知事から、有効期間を5年とする宅地建物取引士証の交付を受けることとなる。”誤り。宅地建物取引士が登録の移転とともに宅地建物取引士証の交付を申請したときは、従前の宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅地建物取引士証が交付されます(宅建業法22条の2第5項)。移転前の取引士証の有効期間が残り1年だったなら、移転後の都道府県知事から交付される取引士証の有効期間も1年になる感じです。
- “宅地建物取引士(甲県知事登録)が、乙県に所在する建物の売買に関する取引において宅地建物取引士として行う事務に関し不正な行為をし、乙県知事により事務禁止処分を受けたときは、宅地建物取引士証を甲県知事に提出しなければならない。”[正しい]。事務禁止処分を受けた宅地建物取引士は、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければなりません(宅建業法22条の2第7項)。本肢の宅地建物取引士は甲県知事登録なので、提出先は処分を受けた乙県知事ではなく、登録を受けている甲県知事となります。
- “宅地建物取引業者(甲県知事免許)は、乙県内で一団の建物の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において建物の売買の契約を締結し、又は契約の申込みを受ける場合、国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならない。”誤り。国土交通大臣免許が必要なのは、2つ以上の都道府県の区域内に事務所(本店・支店・継続して業務を行える施設)を設置して事業を営む業者です。宅地建物取引業者(甲県知事免許)は乙県内に案内所を設置しただけなので、免許換えの必要はありません(宅建業法3条1項)。
したがって正しい記述は[3]です。
宅建勉強2月20日(日)
問44
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
- 宅地には、現に建物の敷地に供されている土地に限らず、将来的に建物の敷地に供する目的で取引の対象とされる土地も含まれる。
- 農地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであっても、宅地には該当しない。
- 建物の敷地に供せられる土地であれば、都市計画法に規定する用途地域外に存するものであっても、宅地に該当する。
- 道路、公園、河川等の公共施設の用に供せられている土地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであれば宅地に該当する。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
解説
宅建業法2条1項では、宅地を次のように定義しています。
宅建業法2条1号
建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。
宅地建物取引法上の「宅地」の範囲を図解で表すと以下の通りです。

- “宅地には、現に建物の敷地に供されている土地に限らず、将来的に建物の敷地に供する目的で取引の対象とされる土地も含まれる。”正しい。将来的に建物の敷地として取引対象となる土地は「宅地」に含まれます。
- “農地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであっても、宅地には該当しない。”誤り。用途地域内の土地は、地目・現況にかかわらず常に「宅地」に該当します。
- “建物の敷地に供せられる土地であれば、都市計画法に規定する用途地域外に存するものであっても、宅地に該当する。”正しい。建物の敷地として取引対象となる土地は、用途地域以外に存在するものであっても「宅地」に該当します。
- “道路、公園、河川等の公共施設の用に供せられている土地は、都市計画法に規定する用途地域内に存するものであれば宅地に該当する。”誤り。道路、公園、河川、広場及び水路は「宅地」に含まれません。
したがって正しいものは「二つ」です。
宅建勉強2月19日(土)
問45
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律によれば、正しいものはどれか。
- Aが、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。
- Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。
- Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水設備又はガス設備の隠れた瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。
- 住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡したAが住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する必要があり、Bが保険料を支払うものではない。
解説
- “Aが、住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が100㎡以下であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。”誤り。供託金の額は、自ら売主となる売買契約に基づく新築住宅の販売実績によって決まりますが、販売新築住宅の合計戸数の算定に当たっては、床面積55㎡以下の住宅2戸をもって1戸と数えることができます(履行確保法11条3項履行確保法施行令5条)。本肢は「100㎡以下」としている点が誤りです。
- “Aは、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、Bが住宅の引渡しを受けた時から10年以内に当該住宅を転売したときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人にその旨を申し出て、当該保険契約の解除をしなければならない。”誤り。新築住宅の引渡しから10年以内にその住宅が転売された場合でも、住宅販売瑕疵担保責任保険契約を解除することはできません(履行確保法2条7項5号)。
なお、転売があっても、保険契約に基づく請求権は依然として新築住宅の買主の下にあり、転売の買受人に当然に承継されるわけではありません。もし転売後に補償対象となる損害が発生したときには、転売の買受人は、転売主に請求をするか、転売主の請求権に債権者代位して損害を填補することになります。 - “Aは、住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をした場合、当該住宅を引き渡した時から10年間、当該住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分、給水設備又はガス設備の隠れた瑕疵によって生じた損害について保険金の支払を受けることができる。”誤り。住宅販売瑕疵担保責任保険契約で填補される損害は、住宅品質確保法で定める住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵により生じたものに限られます(履行確保法2条7項2号イ)。住宅の給水設備又はガス設備は、住宅品質確保法が定める「住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分」には含まれません(住宅品質確保法施行令5条)。よって、それらの部分の瑕疵によって生じた損害については、保険金の支払いを受けることはできません。
- “住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅を引き渡したAが住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する必要があり、Bが保険料を支払うものではない。”[正しい]。住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、売主である宅地建物取引業者と保険会社の間で締結する契約であり、買主ではなく、当該宅地建物取引業者が保険料を支払うものでなければなりません(履行確保法2条7項1号)。
したがって正しい記述は[4]です。
宅建勉強2月18日(金)
問43
宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士及びその登録(以下この問において「登録」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。
- 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が乙県知事に登録の移転の申請を行うとともに宅地建物取引士証の交付の申請を行う場合、交付の申請前6月以内に行われる乙県知事が指定した講習を受講しなければならない。
- 宅地建物取引士が、事務禁止処分を受け、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。
- 宅地建物取引士が、刑法第222条(脅迫)の罪により、罰金の刑に処せられ、登録が消除された場合、刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは、新たな登録を受けることができない。
解説
- “登録を受けている者が精神の機能の障害により宅地建物取引士の事務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者となった場合、本人がその旨を登録をしている都道府県知事に届け出ることはできない。”誤り。宅地建物取引士が、精神の機能の障害により宅地建物取引業を適正に営むに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者(欠格事由)に該当することとなったときは、その事実を知った日から30日以内に、「本人」またはその「法定代理人」若しくは「同居の親族」が届出をすることになっています(宅建業法21条3号)。届出者は本人に限られないので誤りです。
- “甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が乙県知事に登録の移転の申請を行うとともに宅地建物取引士証の交付の申請を行う場合、交付の申請前6月以内に行われる乙県知事が指定した講習を受講しなければならない。”誤り。登録の移転の際に法定講習を受けなくてはならないという規定はありません。甲県知事を経由して、乙県知事に登録の移転を申請すれば足ります(宅建業法19条の2)。
- “宅地建物取引士が、事務禁止処分を受け、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に速やかに提出しなかったときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。”誤り。事務禁止処分を受けた宅地建物取引士は、速やかに、登録を受けた都道府県知事に宅地建物取引士証を提出しなければなりません(宅建業法22条の2第7項)。この規定に違反した場合、10万円以下の過料に処されることがあります(宅建業法86条)。本肢は「50万円以下の罰金」としているので誤りです。
- “宅地建物取引士が、刑法第222条(脅迫)の罪により、罰金の刑に処せられ、登録が消除された場合、刑の執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは、新たな登録を受けることができない。”[正しい]。次の6つの罪を犯して罰金刑以上に処された場合、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過するまでは宅地建物取引士の登録を受けることができません(宅建業法18条1項7号)。
- 傷害罪(204条)
- 現場助勢罪(206条)
- 暴行罪(208条)
- 凶器準備集合及び結集罪(208条の2)
- 脅迫罪(222条)
- 背任罪(247条)
したがって正しい記述は[4]です。
宅建勉強2月17日(木)
問36
宅地建物取引業者の守秘義務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、依頼者本人の承諾があった場合でも、秘密を他に漏らしてはならない。
- 宅地建物取引業者が、宅地建物取引業を営まなくなった後は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしても、法に違反しない。
- 宅地建物取引業者は、裁判の証人として、その取り扱った宅地建物取引に関して証言を求められた場合、秘密に係る事項を証言することができる。
- 宅地建物取引業者は、調査の結果判明した法第35条第1項各号に掲げる事項であっても、売主が秘密にすることを希望した場合は、買主に対して説明しなくてもよい。
解説
宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合を除き、業務上知り得た秘密についての守秘義務が課されています(宅建業法45条)。
宅建業法45条
宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
この「正当な理由」に該当するか否かは個別の事例ごとに判断されることになりますが、”宅建業法解釈運用の考え方”においては「正当な理由」に該当するものとして、以下の4つの例が挙げられています。
- 法律上秘密事項を告げる義務がある場合
- 取引の相手方に真実を告げなければならない場合
- 依頼者本人の承諾があった場合
- 他の法令に基づく事務のための資料として提供する場合
- “宅地建物取引業者は、依頼者本人の承諾があった場合でも、秘密を他に漏らしてはならない。”誤り。依頼者本人の承諾があった場合は、依頼者の利益を故意に損なうことがないので守秘義務の対象外とされています。
- “宅地建物取引業者が、宅地建物取引業を営まなくなった後は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしても、法に違反しない。”誤り。業務上知り得た秘密についての守秘義務は、宅地建物取引業者を営んでいるときだけでなく、宅地建物取引業を営まなくなった後も継続します(宅建業法45条)。よって、秘密事項を他に漏らせば法に違反します。
- “宅地建物取引業者は、裁判の証人として、その取り扱った宅地建物取引に関して証言を求められた場合、秘密に係る事項を証言することができる。”[正しい]。裁判の証人として証言を求められたとき、税務署等の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたとき等は「正当な理由」があるときに該当します。よって、秘密に係る事項を裁判で証言することができます。
- “宅地建物取引業者は、調査の結果判明した法第35条第1項各号に掲げる事項であっても、売主が秘密にすることを希望した場合は、買主に対して説明しなくてもよい。”誤り。宅地建物取引業者が、その相手方に対し、重要事項説明や契約書面の内容について故意に真実を告げず、または不実のことを告げる行為は禁止されています(宅建業法47条1号)。よって、売主の希望にかかわらず買主に真実を告げなければなりません。この場合、法律上の規定により秘密事項を告げる義務があるため、「正当な理由」があるとして守秘義務違反に問われることはありません。
したがって正しい記述は[3]です。
宅建勉強2月16日(水)
問35
宅地建物取引業者Aが行う媒介業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において「37条書面」とは、同法第37条の規定により交付すべき書面をいうものとする。
- Aが建物の売買契約を成立させた場合においては、37条書面を買主に交付するに当たり、37条書面に記名押印した宅地建物取引士ではないAの従業者が当該書面を交付することができる。
- Aが建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。
- Aが建物の売買契約を成立させた場合において、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、重要事項説明書にその旨記載していたとしても、その内容を37条書面に記載しなければならない。
- Aが事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合においては、公正証書とは別に37条書面を作成し交付するに当たり、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければならない。
解説
- “Aが建物の売買契約を成立させた場合においては、37条書面を買主に交付するに当たり、37条書面に記名押印した宅地建物取引士ではないAの従業者が当該書面を交付することができる。”正しい。宅地建物取引士でなければ行えないのは37条書面への記名押印です。交付の義務は宅地建物取引業者にあるので、記名押印した宅地建物取引士以外の従業者に交付を行わせても問題ありません(宅建業法37条3項)。
- “Aが建物の賃貸借契約を成立させた場合においては、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、37条書面には、引渡しの時期及び賃借権設定登記の申請の時期を記載しなければならない。”誤り。37条書面の記載事項として「宅地又は建物の引渡しの時期」と「移転登記の申請の時期」がありますが、賃借権設定登記の時期は記載事項ではありません(宅建業法37条1項4号・5号)。そもそも建物の賃借では引渡しが対抗要件となるので、賃借権の設定登記はすることの方が稀です。なお、37条書面に関する手続きでは、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても省略できることはありません。
- “Aが建物の売買契約を成立させた場合において、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、重要事項説明書にその旨記載していたとしても、その内容を37条書面に記載しなければならない。”正しい。天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を37条書面に記載しなければなりません(宅建業法37条1項10号)。
- “Aが事業用宅地の定期賃貸借契約を公正証書によって成立させた場合においては、公正証書とは別に37条書面を作成し交付するに当たり、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても、宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させなければならない。”正しい。37条書面への宅地建物取引士の記名押印および交付は、契約の当事者が宅地建物取引業者であっても省略することはできません(宅建業法37条3項)。
したがって正しいものは「三つ」です。