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宅建勉強6月28日(火)

2022.06.28

問18

次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 法第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定の際、現に建築物が立ち並んでいる道は、法上の道路とみなされる。
  2. 都市計画により、容積率の限度が10分の50とされている準工業地域内において、建築物の高さは、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が35m以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、1.5を乗じて得た値以下でなければならない。
  3. 第一種住居地域においては、畜舎で、その用途に供する部分の床面積が4,000㎡のものを建築することができる。
  4. 建築物の敷地が、法第53条第1項の規定に基づく建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の敷地の過半の属する地域又は区域における建蔽率に関する制限が、当該建築物に対して適用される。

解説

  1. “法第68条の9第1項の規定に基づく条例の制定の際、現に建築物が立ち並んでいる道は、法上の道路とみなされる。”誤り。道路とみなす道と言えば「2項道路」です。2項道路は、集団規定が適用されるようになったとき現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道であり、特定行政庁が指定したものである必要があります(建築基準法42条2項)。特定行政庁の指定という部分が欠けているので本肢は誤りです。
  2. “都市計画により、容積率の限度が10分の50とされている準工業地域内において、建築物の高さは、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が35m以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、1.5を乗じて得た値以下でなければならない。”[正しい]。道路斜線制限に関する記述です。道路斜線制限とは、都市計画区域及び準都市計画区域内のすべての建築物に適用される、前面道路の幅員による高さ制限のことです。道路斜線制限は、道路の反対側の境界線から離れた一定距離まで適用され、適用距離を超えた範囲は道路斜線制限から除外されます。この適用距離は、用途地域と容積率の限度に応じて、以下のように設定されています。本肢の準工業地域は工業系の用途地域であり、容積率の限度が10分の50(=500%)なので適用距離は35mとなります。また住居系地域以外における斜線の勾配は1.5です。したがって本肢の記述は適切です。
  3. “第一種住居地域においては、畜舎で、その用途に供する部分の床面積が4,000㎡のものを建築することができる。”誤り。用途地域による畜舎(家畜を飼い養うための建物)の用途制限は以下のようになっています。第一種住居地域において畜舎を建築する場合、床面積3,000㎡以下のものしか建築することができません。したがって本肢の記述は誤りです。
  4. “建築物の敷地が、法第53条第1項の規定に基づく建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の敷地の過半の属する地域又は区域における建蔽率に関する制限が、当該建築物に対して適用される。”誤り。建築物の敷地が建蔽率制限の異なる地域にわたる場合、その建蔽率は、二つの地域の建蔽率を敷地面積で加重平均して求めます(建築基準法53条2項)。例えば、敷地面積100㎡で建蔽率60%の土地、敷地面積300㎡で建蔽率70%の土地にわたって建築物を建築する場合、適用される建蔽率は「(0.6×100+0.7×300)÷400=0.675=67.5%」となります。
    ちなみに「過半の属する地域」の制限が適用されるのは用途地域の規制です。したがって正しい記述は[2]です。

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