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宅建勉強5月22日(日)

2022.05.22

問7

物上代位に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、物上代位を行う担保権者は、物上代位の対象とする目的物について、その払渡し又は引渡しの前に差し押さえるものとする。

  1. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Bの一般債権者が差押えをした場合には、Aは当該賃料債権に物上代位することができない。
  2. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Aが当該建物に抵当権を実行していても、当該抵当権が消滅するまでは、Aは当該賃料債権に物上代位することができる。
  3. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物が火災によって焼失してしまった場合、Aは、当該建物に掛けられた火災保険契約に基づく損害保険金請求権に物上代位することができる。
  4. Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。

解説

  1. “Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Bの一般債権者が差押えをした場合には、Aは当該賃料債権に物上代位することができない。”[誤り]。物上代位を行う担保権者は、物上代位の対象とする目的物について、その払渡し又は引渡しの前に差し押さえることができます。よって、一般債権者が差押えをした場合でも、それ以前に設定登記があるならば物上代位することが可能です(民法372条民法304条1項)。
  2. “Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Aが当該建物に抵当権を実行していても、当該抵当権が消滅するまでは、Aは当該賃料債権に物上代位することができる。”正しい。債務不履行があった場合は賃料債権等の法定果実にも物上代位することが可能です(民法371条)。なお、これは抵当権が実行されても、当該抵当権が消滅するまで行使することが可能です(最判平1.10.27)。
  3. “Aの抵当権設定登記があるB所有の建物が火災によって焼失してしまった場合、Aは、当該建物に掛けられた火災保険契約に基づく損害保険金請求権に物上代位することができる。”正しい。抵当権は、目的物の滅失などによって債務者が受領する金銭に対しても行使することができます。火災保険金はこの債務者が受領する金銭に該当するため、Aは損害保険金請求権に物上代位することが可能です(民法372条、民法304条1項)。
  4. “Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。”正しい。転貸賃料債権には、原則として物上代位することができないとされています。よって、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできません(最判平12.4.14)。
    したがって誤っている記述は[1]です。

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