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宅建勉強12月9日(木)

2021.12.09

保証に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、保証契約は令和2年4月1日以降に締結されたものとする。

  1. 特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。
  2. 主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。
  3. 委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
  4. 委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。

解説

  1. “特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。”正しい。特定物売買において、買主から売主に前払金が支払われた後、売主の債務不履行によって契約が解除された場合は、売主の債務を保証していた保証人の保証債務の範囲は売主の代金返還債務についても及びます(最判昭40.6.30)。主たる債務やそれが転じた損害賠償だけでなく、契約解除後の原状回復義務にも保証の責任を認めた判例です。
  2. “主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。”[誤り]。主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されません(民法448条2項)。例えば、主たる債務が1,000万円から1,200万円に増加しても、保証債務は1,000万円のままということです。
    また、時効の利益の放棄は援用と同様に相対効だとされているので、主たる債務者が時効完成後に時効の利益を放棄した場合でも、(連帯)保証人にはその効果は及びません(大判大8.6.24)。
  3. “委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。”正しい。委託を受けた保証人が弁済期前に弁済した場合に、主たる債務者が債権者に対し、その債務消滅行為以前の相殺の原因を有していたときは、その反対債権は(求償に応ずることの代わりに)保証人に移転し、保証人が債権者に対して履行を請求することになります(民法459条の2第1項)。
  4. “委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。”正しい。委託を受けた保証人が弁済等をするときには、履行の請求を受けたかどうかにかかわらず主たる債務者への事前通知が必要です。この通知を怠った場合、主たる債務者は債権者に対抗できた事由をもって保証人に対抗できます(民法463条1項)。
    例えば、債権者Aが主たる債務者Bに対して1,000万円の金銭債権をもち、逆にBがAに対して300万円の金銭債権をもっていたとします。このとき、保証人Cが1,000万円をAに弁済したときには、CはBに対して1,000万円を求償できますが、Bは相殺可能だった300万円を差し引いた700万円分だけ求償に応じれば良いということです。その相殺の反対債権は保証人に移転し、保証人が債権者に対して履行を請求することになります。

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