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宅建勉強12月11日(月)

2021.12.11

住宅比較の吉田です。

Aがその所有する甲建物について、Bとの間で、①Aを売主、Bを買主とする売買契約を締結した場合と、②Aを贈与者、Bを受贈者とする負担付贈与契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、これらの契約は、令和3年7月1日に締結され、担保責任に関する特約はないものとする。

  1. ①の契約において、Bが手付を交付し、履行期の到来後に代金支払の準備をしてAに履行の催告をした場合、Aは、手付の倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。
  2. ②の契約が書面によらずになされた場合、Aは、甲建物の引渡し及び所有権移転登記の両方が終わるまでは、書面によらないことを理由に契約の解除をすることができる。
  3. ②の契約については、Aは、その負担の限度において、売主と同じく担保責任を負う。
  4. ①の契約については、Bの債務不履行を理由としてAに解除権が発生する場合があるが、②の契約については、Bの負担の不履行を理由としてAに解除権が発生することはない。

“①の契約において、Bが手付を交付し、履行期の到来後に代金支払の準備をしてAに履行の催告をした場合、Aは、手付の倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。”誤り。手付の交付があったときは、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に提供することで契約解除できます(民法557条1項)。判例では、買主が残代金を用意し、すぐに支払える準備をした上で売主に履行の催告をした場合には、契約の履行に着手したと認めるのが相当であるとしています(最判昭40.12.14)。買主Aが契約の履行に着手した後ですから、売主Aは手付による契約解除をすることができません。
“②の契約が書面によらずになされた場合、Aは、甲建物の引渡し及び所有権移転登記の両方が終わるまでは、書面によらないことを理由に契約の解除をすることができる。”誤り。判例では、書面によらない負担付贈与契約では、当事者一方が契約の履行に着手した後に、書面によらないことを理由に契約の全部または一部を取り消すことは許されないとしています(最判昭28.9.3)。
書面によらない贈与では履行が終わった部分を除き、各当事者が撤回できるというのが原則です(民法550条)。しかし、これをそのまま負担付贈与に適用すると、贈与を履行をしたのに負担部分だけが取り消されたり、負担を履行したのに贈与が取り消されたりといったことが起こり得るからです。
“②の契約については、Aは、その負担の限度において、売主と同じく担保責任を負う。”[正しい]。負担付贈与契約における贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保責任を負います(民法551条2項)。受贈したものについて契約不適合があるときには、履行の追完、代金減額、契約解除、損害賠償請求ができます。
“①の契約については、Bの債務不履行を理由としてAに解除権が発生する場合があるが、②の契約については、Bの負担の不履行を理由としてAに解除権が発生することはない。”誤り。売買契約では当事者の一方が債務を履行しない場合に契約解除ができます(民法541条、民法542条)。負担付贈与契約には双務契約の規定が準用されるので、売買契約と同じく相手方の債務不履行があれば契約解除することができます(民法553条)。
したがって正しい記述は[3]です。

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