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宅建勉強1月17日(月)

2022.01.17

問11

甲土地につき、期間を50年と定めて賃貸借契約を締結しようとする場合(以下「ケース①」という。)と、期間を15年と定めて賃貸借契約を締結しようとする場合(以下「ケース②」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 賃貸借契約が建物を所有する目的ではなく、資材置場とする目的である場合、ケース①は期間の定めのない契約になり、ケース②では期間は15年となる。
  2. 賃貸借契約が建物の所有を目的とする場合、公正証書で契約を締結しなければ、ケース①の期間は30年となり、ケース②の期間は15年となる。
  3. 賃貸借契約が居住の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを書面で定めればその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを書面で定めても無効であり、期間は30年となる。
  4. 賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である。

解説

  1. “賃貸借契約が建物を所有する目的ではなく、資材置場とする目的である場合、ケース①は期間の定めのない契約になり、ケース②では期間は15年となる。”誤り。本肢の場合、資材置き場であり建物の所有を目的としないため借地借家法は適用されず、民法の規定が適用されます。民法では賃貸借契約の最長を50年としているため、ケース①は50年、ケース②は15年となります(民法604条)。
  2. “賃貸借契約が建物の所有を目的とする場合、公正証書で契約を締結しなければ、ケース①の期間は30年となり、ケース②の期間は15年となる。”誤り。本肢の場合、建物の所有を目的とするので借地借家法が適用されます。普通借地権については契約方法は定められていませんが、存続期間の最短が30年です(借地借家法3条)。よって、ケース①は50年、ケース②は30年となります。
  3. “賃貸借契約が居住の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを書面で定めればその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを書面で定めても無効であり、期間は30年となる。”[正しい]。居住用建物については事業用定期借地権等を設定できません。一般定期借地権の存続期間は50年以上なので、ケース①は50年、ケース②は50年未満なので更新のない定めは無効となり、普通借地権の最短期間である30年となります(借地借家法22条)。
  4. “賃貸借契約が専ら工場の用に供する建物の所有を目的とする場合、ケース①では契約の更新がないことを公正証書で定めた場合に限りその特約は有効であるが、ケース②では契約の更新がないことを公正証書で定めても無効である。”誤り。
    [ケース①]
    事業用定期借地権等は公正証書で契約しなければなりませんが、存続期間50年なので一般定期借地権として契約することも可能です。この場合、公正証書に限らず書面であれば問題ありません。
    [ケース②]
    存続期間15年の定期借地権を設定できるのは事業用定期借地権等だけです。本肢は工場の所有を目的としている(居住用ではない)ので、公正証書で契約すれば存続期間15年で更新がない賃貸借契約とすることができます。
    なお、10年以上30年未満の事業用定期借地権では「契約更新がない」「建物買取請求権がない」「築造により存続期間延長がない」旨の特約をしなくても上記の効果が生じます(借地借家法23条2項)。よって必ずしも「契約の更新がないことを公正証書で定め」ることは求められませんが、もし定めたとしても無効になるわけではありません。
    したがって正しい記述は[3]です。

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