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宅建勉強5月29日(日)

2022.05.29

問7

請負契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 請負契約が請負人の責めに帰すべき事由によって中途で終了し、請負人が施工済みの部分に相当する報酬に限ってその支払を請求することができる場合、注文者が請負人に請求できるのは、注文者が残工事の施工に要した費用のうち、請負人の未施工部分に相当する請負代金額を超える額に限られる。
  2. 請負契約が注文者の責めに帰すべき事由によって中途で終了した場合、請負人は、残債務を免れるとともに、注文者に請負代金全額を請求できるが、自己の債務を免れたことによる利益を注文者に償還しなければならない。
  3. 請負契約の目的物に契約不適合がある場合、注文者は、請負人から履行の追完に代わる損害の賠償を受けていなくとも、特別の事情がない限り、報酬全額を支払わなければならない。
  4. 請負人が担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることはできない。

解説

  1. “請負契約が請負人の責めに帰すべき事由によって中途で終了し、請負人が施工済みの部分に相当する報酬に限ってその支払を請求することができる場合、注文者が請負人に請求できるのは、注文者が残工事の施工に要した費用のうち、請負人の未施工部分に相当する請負代金額を超える額に限られる。”正しい。請負人の責めに帰すべき事由によって請負契約が終了し、その残工事を注文者が費用を出して行った場合、判例によれば、注文者が請負人に対して損害賠償をできるのは、未施工部分に相当する請負代金を超える額に限られます(最判昭60.5.17)。
    例えば3,000万円で住宅建築の請負契約をして、その5割相当部分しか完成していない(未施工部分1,500万円)状態で請負契約が終了したとします。その後、注文者がで残り5割の部分を自費2,000万円出して完成させた場合には、請負人への損害賠償金額は「2,000万円-1,500万円=500万円」に限られるということになります。
  2. “請負契約が注文者の責めに帰すべき事由によって中途で終了した場合、請負人は、残債務を免れるとともに、注文者に請負代金全額を請求できるが、自己の債務を免れたことによる利益を注文者に償還しなければならない。”正しい。注文者の責に帰すべき事由によって履行ができなくなった場合、危険負担の規定に則り請負人は請負代金全額を請求することが可能です。しかし、債務を免れたことによる利益は注文者に償還しなければなりません(民法536条2項)。債務を免れたことによる利益とは、仮に建築工事では残工事にかかる労力や材料費等の価額等です。
  3. “請負契約の目的物に契約不適合がある場合、注文者は、請負人から履行の追完に代わる損害の賠償を受けていなくとも、特別の事情がない限り、報酬全額を支払わなければならない。”[誤り]。契約不適合がある場合の損害賠償義務は同時履行の関係にあり、注文者の報酬支払いと同時にする必要があります(民法533条)。よって、請負人から履行の追完に代わる損害賠償を受けていない場合は、報酬全額を支払う必要はありません(最判平9.2.14)。
  4. “請負人が担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることはできない。”正しい。担保責任は任意規定なので、担保責任を負わない旨の特約は有効です。しかし、知りながら告げなかった(請負人が悪意の)場合は担保責任を負う必要があります(民法572条)。
    したがって誤っている記述は[3]です。
    ※民法改正により、請負契約には売買契約の規定が準用されることとなりました。

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