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宅建ブログ5月2日(月)

2022.05.02

問9

Aは、令和4年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。この場合の相殺に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. BがAに対して同年12月31日を支払期日とする貸金債権を有している場合には、Bは同年12月1日に売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。
  2. 同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11月2日から12月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。
  3. 同年10月10日、BがAの自動車事故によって被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、Bは売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができる。
  4. BがAに対し同年9月30日に消滅時効の期限が到来する貸金債権を有していた場合には、Aが当該消滅時効を援用したとしても、Bは売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。

解説

  1. “BがAに対して同年12月31日を支払期日とする貸金債権を有している場合には、Bは同年12月1日に売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。”誤り。相殺には、原則として双方の債権の弁済期が到来していることが必要です(民法505条1項)。本肢では、相殺をしようとする日が12月1日、貸金債権の支払期日が12月31日(弁済期未到来)なので相殺することはできません。
  2. “同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11月2日から12月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。”誤り。自働債権の取得時期が、受働債権の差押えを受けた後であるときには相殺はできません(民法511条1項)。Bが11月2日から12月1日までに取得した債権は、11月1日の差押え後に取得されたものなので、BはAの売買代金債権と相殺をすることはできません。
  3. “同年10月10日、BがAの自動車事故によって被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、Bは売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができる。”[正しい]。悪意による不法行為、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権を受働債権とする相殺をすることはできません(民法509条)。ただし、これを自働債権とする相殺は可能ですので、BからAに対しての相殺は有効となります。
  4. “BがAに対し同年9月30日に消滅時効の期限が到来する貸金債権を有していた場合には、Aが当該消滅時効を援用したとしても、Bは売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。”誤り。一方の債権が時効により消滅した場合でも、消滅前に相殺適状にあった場合には相殺可能です。しかし、本肢の場合、売買代金債権成立前の9月30日に貸金債権が時効消滅しているため、相殺適状にはなっていません(民法508条)。よって、Aが当該消滅時効を援用した場合、Bは相殺をすることはできません。
    したがって正しい記述は[3]です。

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