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宅建勉強5月20日(金)

2022.05.20

問4

A所有の甲土地につき、Aから売却に関する代理権を与えられていないBが、Aの代理人として、Cとの間で売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。

  1. Bの無権代理行為をAが追認した場合には、AC間の売買契約は有効となる。
  2. Aの死亡により、BがAの唯一の相続人として相続した場合、Bは、Aの追認拒絶権を相続するので、自らの無権代理行為の追認を拒絶することができる。
  3. Bの死亡により、AがBの唯一の相続人として相続した場合、AがBの無権代理行為の追認を拒絶しても信義則には反せず、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。
  4. Aの死亡により、BがDとともにAを相続した場合、DがBの無権代理行為を追認しない限り、Bの相続分に相当する部分においても、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。

解説

  1. “Bの無権代理行為をAが追認した場合には、AC間の売買契約は有効となる。”正しい。無権代理行為が追認された場合、原則として契約時に遡ってその効力を生じます。よって、AC間の売買契約は有効となります(民法116条)。
  2. “Aの死亡により、BがAの唯一の相続人として相続した場合、Bは、Aの追認拒絶権を相続するので、自らの無権代理行為の追認を拒絶することができる。”[誤り]。無権代理人が本人を相続した場合には、信義誠実の原則に違反するため、本人の有していた追認拒絶権を行使することはできません(最判昭40.6.18)。
  3. “Bの死亡により、AがBの唯一の相続人として相続した場合、AがBの無権代理行為の追認を拒絶しても信義則には反せず、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。”正しい。本人が無権代理人を相続した場合には、本人が本来有していた追認拒絶権を行使することは可能です。ただ、Aが追認拒絶を行使し得ることから、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではありません(民法113条最判昭37.4.20)。
  4. “Aの死亡により、BがDとともにAを相続した場合、DがBの無権代理行為を追認しない限り、Bの相続分に相当する部分においても、AC間の売買契約が当然に有効になるわけではない。”正しい。本人が死亡し、無権代理人が共同相続したときは、共同相続人全員が追認した場合に限り、無権代理人の相続分についても有効となります(最判平5.1.21)。
    したがって誤っている記述は[2]です。

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