不動産コンサルティングの住宅比較株式会社

スーパーセールスの軌跡

《第27話》住まいの道しるべ エピソード4

朝晩の冷え込みも厳しくなって参りましたが、皆さんは、風邪など引いておりませんでしょうか? 営業マンは、体力勝負の所もありますので、どうか体調管理には十分ご注意くださいませ!

さて、今回もまた、私のエピソードを続けていこうと思っています。
先日も、今のわたしの部下から、前回の章を読んで一言、

「昔は、凄い出来事がたくさんあったのですね…。」
「私も安心することが出来ました!」
「…。」

褒め言葉ではないとしても…。私としては、喜んで良いものか悪いのか…。でも、これを読んでいただいている方々が、こんな人でも売れるようになれるのなら自分も…。
と、思っていただければうれしいです!

売れることと売れないことの差は、大した差では無いのです。ただ、その差に気づかないだけです!
“失敗”を“失敗”と言える潔さ! そして“失敗”と気づいた時こそ、チャンスがやってくる物です。
「みなさん! 失敗をどんどんして下さい。」
とは言えませんが…。“失敗”から学べることが多いことをご理解いただければと思います。

さて、今回の“失敗”!? では無く、
今回のエピソードですが、会社の説明での出来事を書いていこうと思います。まず、私の“住まいの道しるべ”の中では下記のような項目にあたると思います。

一. お願いする建築会社についてよく知ろう
一. 住宅性能についてよく知ろう

皆さんの会社でも、必ず会社説明は行うと思います。もちろん、会社説明にも色々ありますが…。

例えば、
会社の設立から、方針・モットー
過去の業績・今後の方向性
商品に就いては、構造の売りや保証など

この話は尽きないくらい資料は作成できてしまうものです。
今回の私のエピソードは、会社説明から、商品の説明までを行い、他社との競合の中で、当社を全く理解していただくことが出来なかった内容です。

それも、私がまだまだ売れていない頃の話だと思います。
展示場にご来場いただいたのは、ご年配のご夫婦でした。来場の理由は、自宅を半年前に火災で全焼してしまったと言う理由でした。
近隣にも迷惑をかけてしまったが、そろそろ借家から出たいとの希望でした。
全焼してしまった建物の建築会社は、既に無かったため火災後の対応も大変だったと言うこともあり、やはりメーカー選定のポイントは

  1. 信頼のおけるメーカー
  2. 構造が安心できる
  3. 年齢が53歳であった為、トータルコスト

以上の3点でした。
私がまず行った事は、“住まいの道しるべ”を活用して、家づくりのステップを十分にご理解いただくことが、不安を抱いているお客様には一番良いと判断しました。この判断は、今の私でも間違えでは無かったと思っていますが、結論から言いますと、このお客様は、全くの別メーカーで建築をされてしまいました!

なぜ、そのような結果になってしまったか…。
それは、多分ですが…。その当時、私は私の会社と建物が、そんなに好きではなかったのだと思います!
いつも出てくる言葉ですが、皆さんはご自分の会社と商品は好きでしょうか? 好きか嫌いかどちらでもないの3択であるならば、今後の成績も大きく変わってくると思います。

私の場合は、多分好きでは無かったが、嫌いでも無かったので、どちらでもない状態でした! ただ、私の中では受注をあげるためには、どうしたら良いかを考えていました!
その答えが、“住まいの道しるべ”でした。

当社のカタログを見ながら、会社の方針や理念、業績の表、新聞での公表の切り抜き、人材育成、研究開発、地域貢献などなど、他の人が作った物と比較しながら、パソコンできれいに作成をしていました!

私どもの会社は、木造住宅ですので、木の素晴らしさや構造の良さをカタログを見ながら作成していました。オリジナルの構造部材も多数ある為、十分に自慢できる内容だったと思います。
それを見ていただきながら、お客様に対して、現代の木造住宅の家づくりでも十分な構造が準備されていることや、防火基準に就いてもお話しをしてかなりの興味を持っていただけたと思いました。
それの理由としては、5社ほど展示場内を廻った中で、敷地調査のアポイントをいただけたのが私どもの会社ともう一社だけだったからです。ちなみにもう一社はその段階では、教えていただくことは出来ませんでした!

ずいぶん前の章で、私の最初の頃は、アポは取得できても、流れてしまうことや、ドタキャンが多かったと書いていたことを覚えていますでしょうか? 実は、そのときのドタキャンや流れたお客様とは、正にこの方でした! 最初にアポイントをとった時、お客様とどのようなお約束をしたかと言いますと、

  1. 敷地調査を来週中に完了する。
  2. 来週末に資料を元に設計者とのヒアリングを行う

という2点のアポイントでした。

敷地調査は予定通り行うことが出来ました。
その後の設計とのヒアリングについてスケジュールの調整で、お客様の家へ伺ったり、電話をさせていただく頃から、急にお客様と連絡が取れなくなってしまったのです。連絡が取れなくなったことを、当時の上司に相談すると…。

「帰ってくる時間まで、外で待っていれば…!」

確かに! 数日ストーカーのように張り込み! ではなく待ち伏せをしていました!
ようやく、話が出来たときに、とてもショックなことが幾つか…。まずは、挨拶をして話しかけたときに、まず一つ!

私のメーカー名がわからなかったのです。

そしてもう一つ!

あれだけたくさん話をしていたにも関わらず、私の名前を間違える!

そのときの私の心境は、
「なにボケているのだろう…!」
「ふざけるな!」
と言う気持ちでした! この出来事が、お客様からの大きなメッセージだったことに、その当時は気づくことが出来ませんでした!

結局、ヒアリングの予定を確認して帰りましたが、ヒアリング当日に、お客様が現れることは有りませんでした!
多分当たり前です。せっかく設計者にも、来ていただいたのに…。設計も「仕方ないよ!」と慰めてはいただけましたが…。

何度か同じようなことを繰り返しているうちに、ようやく展示場での商談が出来ることになりました! 当時の私には、お客様が居なかったので、1人のお客様に必死にしがみついていました! しかし、久しぶりに来ていただいたお客様から出た言葉は、よそよそしく。

「こちらの会社の売りは何?」
「構造は何でした?」
「…。」

全く以前の会話を覚えていない状況でした! 私は、“住まいの道しるべ”を見せながら、引きつった笑いをしながら、

私)「先日来ていただいた時に、これを見ながらご説明したのを忘れました?」

ちょっと探るようにお話しするとお客様より…。多分正直なご意見だったと思いますが、このように言われました!

客)「確かに見せてもらったけど…。あまり覚えてないよ!」
「きれいだったけど、字が多くてなんだかよく解らなかった!」
「それに木は弱いって他の会社は言っているよ!」

私は、現代の木の家の説明を聞いていただき、ご納得を頂いていたと思っていました! 再度、ご説明をしようと思ったとき、お客様より

客)「もういいよ、話長くなっちゃうでしょ!」
「あまり良くわからないし、面白くないから!」

実は、「鉄骨の○○ホームで決めちゃったから…!」
と一言!! 私も、何故か納得が行かず、何処が行けなかったのかを聞いてしまいました!

お客様も正直な方なのでしょう!
私と○○ホームの違いを教えていただく事ができました!

  1. まず、話をよく聞いてくれた事。
    (わたしは、いつも自分ばかりがしゃべってしまう)
  2. ○○ホームの資料は、カタログばかりだけど、お奨めの点が解りやすかった!
    多分、自分の家が好きだから自慢をしていたのが好感が持てた!
    (私は、言葉が上手なので、返って営業に騙されそうな気がした!)
    確かに、私はこの会社での自慢できることを、自分自身に持っていませんでした!
  3. 年寄り二人の生活に必要なことをよく理解してくれた!
    ① 予算も少ないのと、早く入居がしたいとの希望に対して、企画住宅でもメーカーとしての構造を十分に備えていた商品を提案してくれた!
    ② 企画住宅なので、コストも明快だった!

それに対して、家づくりの考え方は、評価できるが、お客様の要望や意見が取り入れることもせずに、ただヒアリングをして使い勝手の良いプランをじっくり作ろうとしていた私の考えが合っていなかったと言うことでした!

今、このお客様の家は、私がいつも仕事で通る道沿いに建っています。正直、真四角で上下の塗り分けされた、標準的な企画住宅です。
私は、今もこの家のデザインは好きでは有りませんが…。このお客様が、真剣に考えて、そして選択された家だということです。そのことは、しっかりと心に刻まなくてはいけないことです。

契約をしてもらった○○ホームの営業は、この家を提案するために、どれだけ自信を持ってお客様にプレゼンをしたか…。心がこもっていたのだと思います。そこには必ず感動があるはずです。そしてお客様は、選んだのです。私の話には、感動が無かったから、話も出来なかった! それは、別のお客様でも同じことを繰り返していたのでしょう。だから、ドタキャンばかり…。
今、私が建てていただいている家は、デザイナーと作る格好良い家です。確かに、このお客様の家づくりとは大きくかけ離れた家が大半です。しかし、この家を見る度に私は思います。私自身は営業として、格好悪かった!!

その頃からだと思います。
営業とは…?
そのようなことを考えるようになったのは。
多分どんな仕事でも同じだと思いますが、恋愛も一緒だと思いますが…。
人に好かれたいのならば、自分から人を愛さなければ、思いは伝わらないことを! 自分が大好きと思えないものを売っていては、それはお客様に伝わってしまうと言うことです。

“伝染”です。どんなにマニュアルが発達して、簡単に誰もができる仕組みがある世の中で、唯一心が残された仕事が、営業だと思いませんか?
お客様が好き!商品が好き!会社が好き!馬鹿みたいな話しですが、多分ここに営業の原点があるのだと思います。
人間くさい!
それが、営業なのだと思います。その気持ちを持って、“住まいの道しるべ”を使えば、ちょっと下手な話でも、お客様の心をつかめるのだと思います。

エピソードを書いているうちに、更に気づきがありました。
“住まいの道しるべ”は間違えなく作り、利用すべきものです。しかし、それを使う営業の心に応じて、“住まいの道しるべ”パワーは何百倍の力に変化するのだということです。

私は、展示場に来ていただけるお客様、全ての方が大好きです!その方たちの夢の実現のお手伝いが出来る仕事に就けていることに、日々“感謝”です。

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