不動産コンサルティングの住宅比較株式会社

スーパーセールスの軌跡

《第29話》地域の方が“好き”

今回は、ちょっと真面目な会話からスタートしたいと思います。
昨今のサブプライム問題から、景気の情勢に不透明感が日本にも押し寄せてきています。マンションを中心とする建築業界もそのあおりを受け、金融庁も各銀行に対しての建築業界への貸付の締め付け強化が散見されているようです。
皆さんの職場でも、少なからず影響があるのではないでしょうか?

そして住宅業界だけではなく、自動車産業ではアメリカのビッグ3の問題も大きいですが、日本でも、新車販売台数の落ち込み、輸出の減少、円高から期間労働者の雇用問題が大きく取り立たされている状況です。

なんだか、経済話になってしまいましたが、この話が話題になった頃から、あることを思い出し、近いうちにここで紹介しようと思っていました。
しかし、自分がこの場で書かせていただいている内容に結びつけるきっかけが無く、そのままにしておりました。
それが昨日、大きなきっかけが出来、私の今の思いと結び付けられると判断しましたので、今日はそれを書いていこうと思います。

実はきっかけと言いますのは、私の次男の社会科見学なのです。
最近、子供の登場率が上がってきました…!
次男は小学5年生です。
まだ、説明していなかったと思いますので、あと1人6歳の3男が居ますので、子供は3人です。

話を戻しますが、皆さんも社会科見学に小学校5年生で行ったと思います。
私も、約30年前になりますが今でも覚えています。
もちろん、前文を読めばなんとなく気が付いたと思いますが、自動車生産工場です。コーラの工場や醤油工場の方もいらっしゃるかな…?

私は、当時日産の工場で、プレス機でボディの型が出来上がり、コンベアでたくさんの部品がロボットと作業する人たちで一台の車にしていくのを見て、感動したものでした!
その時は、サニーやチェリーという車でしたが…。
古っ!! と思っている方も多いですよね!

次男が行った工場は別のメーカーでしたが、かなりのヒット商品の車を作っているようでした!
しかし、話を聞いてみますと、工場の生産ラインは、昔私たちが見に行っていたときと、ほぼ同じ工程で作られているようでした。説明用のパンフレットでも見たことのある内容ばかりなのです。

プレスして…。地域の工場から、ブレーキやエンジンが送られて…。
そして、組み上げる…。
皆さんも、当時のことを思い出しませんか?
心の底からワクワクしたことを。

しかし、私たちが見た頃と大きく違ったと思える言葉がいくつか次男の口から出てきたのです。

「何が凄かった?」

私が聞いて見ますと。
「凄く工場が大きいらしいよ…。東京ドームが何個か分らしい・・。」
「でもねぇ、工場が半分休みなんだって!」
「○○調整をしてるんだって!」
多分それは生産調整だろう…!
「働いている人も、休みが多いらしいよ!」

私は思わず、
「それは、もの凄い社会科見学に行ってきたね」
「一番の旬だよ!」

本人は全く解ってなかったようですが…。
思わず説明をしてしまいました!
今、車が売れていないこと、働いている人が仕事をやめさせられること、地域で部品を作る会社も仕事がなくなってしまうこと等…。
一つの問題が、その地域全体の経済に関わる位、深刻な事ということを、説明しました。

私が、前文で書いたあることとは、ここに関することです。
実は、私自身も同じような経験を、前職でしてきました。
チェーンストアですが…。
ただ、その経験も前職に在籍していたときには“気づき”は無く、普通のことだと思っていたと思います。
これが、大きな問題と思うようになったのも、ここでの経験からだと思います。
そして、今何が大切なのかを教えてくれたのも、ここでの経験だと思います。

ここで、私の前職での経験を書こうと思います。
約10年前、私は大手のチェーンストアで人事の業務をしていたことは、最初の頃に書かせていただいたと思います。
その頃、この業界はと言うよりは、私の会社は売上が非常に厳しい状況でした。
多角的経営もあり、かなりの負債があったと聞いています。

そんな中、売り場の販売チームは売上を上げる為の施策で、日々苦しんでいた中、私は人事業務と言うこともあり、毎月の人件費削減が大きな仕事でした。
1店舗年商が100億の店舗でしたので、パート・アルバイトで約300人居たと思います。
社員は雇用の内容から、固定費なので、削減を考えるのであれば、どうしてもパート・アルバイトの調整を考えてしまうものです。
雇用契約書にはない、時短労働や休日1人2日増などをしてもらう月が続いていました。
それでようやく人件費の目標をクリアしていたと思います。

しかし、それが一番大切なものを失うきっかけになっていることに気づいていませんでした。
社内では、どんな施策を打っても売上は伸びず…。
社員の残業は増加し、休日出勤も増え、その割りに売り場の品切れが目立っていました!

現場の担当からは、
「パートを休ませるな!」
と言う、批判もたくさん出ていましたが…。
「これも会社の為」
と心を鬼にして、続けていました!

ある日、地域の市場調査を行ったときの出来事でした。
私たちの職場から一番近いディスカウントスーパーに価格調査に行ったとき、目を疑うような光景がありました。
明らかに、私たちのパート従業員が買い物をしていたのです。しかも1人ではなく、3~4名はいたと思います。
確か、私はそのパート従業員に対して厳しく叱ったことを覚えています。
今思えば、なぜ自分の店で買わなかったか…。十分理解できます。

皆さんも、お気づきですよね?
あの頃の私の頭の中では、
「働かせてあげているのに、自分の店で買わないやつは許さない!」
そんな気持ちでした!
“お陰様”の気持ちを持つまでは…。
要は、パートの皆さんも大切なお客様だと言うことです。そして、家族を守る主婦だと言うことです。
この地域で、仕事をさせていただけるのは主婦の皆さんからの信頼があってこそ!
それなのに、私が進めてきたことは、仕事とはいえ、あまりにも乱暴な施策でした。
そして、私たちの職場を気に入って入社いただいた一番のファンといいますか、サポーターに対しての気配りが足りなかったと思います。

労働時間が減れば、給料が下がる。仕事の帰りに自社の売り場で買いもをしていた方々が、少しでも安い店に行くのは、当然と言えば…。
300人もいれば1人1000円毎日買っていただいていたとすれば…。
一体1年間ではどれだけの損失か…!
一番の顧客を失ったことになります。
一度悪いうわさが出てしまえば、取り返すのには何十倍の時間がかかることは、誰もが知っているはずなのに…。
皆さんのお陰げで…。とあの時思っていれば…。

そのようなことが、過去にありました。
それが、次男の社会科見学と重なってしまったのです。
企業が地域を活性化する。しかし、地域が企業を育てて頂いた事も事実です。それだけは忘れてはいけないと思っています。

そうとは言っても、残念ながらこの不況下では自動車工場のようことがあるとは思います。地域とともに共生することこそ、全ての企業の生きる道ではないでしょうか…!
そして今、私が日々念頭においていることは、この地域にお住まいの皆さんの“お陰”で仕事をさせていただいているということです。

以前の職場では気づかなかったことを気づかせてくれたのも、この職場に入社し、近隣の掃除をしていたときに声を掛けてくれた地域の方がきっかけでした!
「ご苦労様」
あの言葉が、私の人生を変えたようにも思います。
お陰様で、私の展示場は不況とは無縁のように、来場される方がいます。

全員が、この地域で働けるのは、日々ここを利用している地域の皆様の“お陰”と思い、営業の休日を除いて1日も休まず清掃をしています。
成績にもならないことを、手を汚し、汗をかいて掃除をしている姿に私も感動しています。そして、地域の方からの感謝の想いが、今の来場数なのではないでしょうか!
私はそのように思っています。
そしてここから生まれる地域の方とのコミュニケーションこそがあってこそ、私たちの存在意義なのだと思っています。

今、朝の掃除をしていますと、学生さんもたくさん挨拶をしてくださいます。
将来、家を建てたいと思ったときに、いつも元気に挨拶をしていた会社に行こうと思ってもらえるように…。
大好きなこの地域に貢献をしていきたいと思います。

ちなみに次男の話ですが…。
地域の人のお陰で、ご飯を食べさせてもらっているから、
「感謝と挨拶は忘れてはいけない」
と話したところ、次男から、
「パパがいつも言う、ことわざだね!」
「猫にこんばんは! でしょ!」

変なことわざですが、正にその通り、
その意味は、どんな人にも挨拶を忘れない!
感謝を忘れない心!

それが「猫にこんばんは!」

その気持ちで、これからも日々努力です。

スーパーセールスの軌跡

土地探し・家づくりのご相談を
お待ちしております。