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9月の住宅ローン金利と購入判断ガイド:固定型引き上げのいま、どう選ぶ?

住宅ローン 金利動向 不動産市場 新築戸建 土地価格 2025年9月の住宅ローンは、固定型の金利上昇が鮮明に。一方で変動型は据え置きが続きます。家計の安心と総支払額の最適化を両立するため、最新動向と実務に効く判断軸を整理しました。

住宅市場の最新動向をチェック

金利トレンド(固定型は上昇・変動型は据え置き)

大手銀行5行が発表した2025年9月の住宅ローン金利では、固定型の主な参考指標である10年物国債利回り(長期金利)の上昇を受け、4行が10年固定の金利を引き上げました。具体的な最優遇金利は以下のとおりです(カッコ内は動き)。 三井住友銀行
10年固定 最優遇2.10%(引き上げ) みずほ銀行
10年固定 最優遇1.95%(引き上げ) 三井住友信託銀行
10年固定 最優遇2.195%(引き上げ) りそな銀行
10年固定 最優遇2.355%(引き上げ) 三菱UFJ銀行
10年固定 最優遇1.92%引き下げ

なお、住宅購入者の約8割が選択する変動型の基準金利は5行とも据え置きです。足元では固定型の金利上昇が続く一方、将来の政策金利引き上げを見据えて固定型へ切り替える動きも増えています。 ポイント:固定型は「将来の金利上昇リスクを回避」する保険。変動型は当面の返済額を抑えやすい一方、後年の上昇リスクを受け入れる設計です。

土地価格の傾向(高止まりと選別)

不動産市場では、首都圏・地方中核都市の土地価格が高止まり。建築コストの上昇も重なり、新築戸建の総予算は上振れしやすい局面です。この影響で、返済負担を平準化するために返済期間を延ばす選択が注目され、全期間固定のフラット35/フラット50活用が拡大しています。

全期間固定「フラット35」実行件数首位のSBIアルヒは2025年8月、需要増に応えるため愛媛県松山市に新店舗を開設。 2025年4〜6月の借り換え申込は186件(前年同期比2.5倍)、うち変動型→固定型の借り換えが多数を占めました。 また、最長50年の「フラット50」受理件数は324件(3倍)と、不動産価格の高騰を背景に長期固定の需要が急伸しています。

住宅ローンの選び方と注意点

固定型と変動型の比較

  • 固定型:借入時の金利が完済まで固定。家計の見通しを立てやすく、将来の上昇局面に強い。一方で、同時点の変動型より金利が高めになりやすい。
  • 変動型:当初返済が軽く、借入可能額を確保しやすい。ただし、金利上昇時には返済額の増加や返済期間の延伸リスクがある。

選び方のコツは、「金利の見通し×家計の耐性×保有期間」でマッチングすること。例えば「共働きで収入に余力があり10年以内に売却/住み替え予定なら変動型」、「教育費ピークと重なるため将来の上振れを避けたいなら固定型」など、ライフイベントと合わせて検討しましょう。

返済シミュレーションの重要性(四則演算でざっくり把握)

以下は概算です。営業現場での口頭説明にも使えるよう、計算過程を簡潔に示します。

例1)借入4,000万円・期間35年(420回)
金利1.0%時の毎月返済額 ≒ 4,000万円 × 0.002824約112,960円
金利2.0%時の毎月返済額 ≒ 4,000万円 × 0.003313約132,520円
→ 差額:約19,560円/月。年換算で約23.5万円、35年総額では約821万円の差に。

例2)同じ金利1.9%で「35年」と「50年」を比較
35年(420回):4,000万円 × 0.003263約130,520円/月
50年(600回):4,000万円 × 0.002583約103,320円/月
→ 月々は約2.7万円軽くなる一方、総返済額は
35年:130,520円 × 4205,481.8万円
50年:103,320円 × 6006,199.2万円
約717万円増。月負担の軽さと総支払の増をどうバランスさせるかがポイントです。

※上記は元利均等返済の係数を用いた概算。実際の実行金利・団信・手数料・諸費用・優遇適用で変動します。

今後の購入タイミングを考える

タイミング判断は「金利動向」「不動産市場の価格」「家計の余力・将来設計」の3点で整理します。足元は固定型の引き上げが続き、変動型は据え置き。以下のシナリオで考えてみましょう。

  • シナリオA:金利が緩やかに上昇 … 返済の見通しを重視するなら10年固定/全期間固定で早期確定。
  • シナリオB:横ばいが続く … 当面の負担を抑えたいなら変動型。ただし、上昇局面への備えとして繰上返済や貯蓄をセットで。
  • シナリオC:一時的な低下→再上昇 … 当初は変動型で走り、固定への借り換え(フラット35/民間固定)でリスク管理。

高止まりの土地価格や建築費の中で新築戸建を選ぶ場合、価格交渉余地・仕様調整・完成在庫の活用など、物件側の最適化も同時に検討を。金融と物件の両輪で総予算の最適解を探るのが、いまの相場に合った進め方です。

まとめ:9月は固定型の上昇が顕著。ただし変動型は据え置きで、家計の状況次第では依然有力な選択肢です。将来の不確実性に備えるには、金利の固定化・借入期間の調整・繰上返済計画・借り換えオプションをセットで設計しましょう。

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出典:日本経済新聞 2025年8月29日記事より「9月の住宅ローン金利、大手4行が固定型引き上げ」。記載の金利・件数は記事本文に基づく。

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