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【素材】住宅木材が13年半ぶりに高値に

こんにちは。住宅比較の森田です。本日は2021年4月22日の日本経済新聞より、13年半ぶりに値上がりしている住宅木材とその影響についてご紹介します。

今、住宅の梁や柱に使う木材の流通価格が上昇を続けています。住宅需要が大きいアメリカに世界から木材が集まって、日本で不足しているのです。木材を工場で加工処理するプレカットメーカーは受注制限や値上げを始めています。住宅の着工が遅れる可能性があるほか、住宅メーカーの収益が圧迫される要因にもなります。

薄い木の板「ラミナ」を接着して作る集成材は、梁に使う規格の東京地区問屋卸価格が現在、1㎥あたり6万5000円。これは前月3月と比べて9,000円高く、リーマン・ショック前の2007年8月以来の約13年半ぶりの高値です。柱に使う集成材も500円弱値上がりしています。

ラミナ(http://kenchikuyogo.com/811-ra/012-ramina.htm)

原因はラミナの対日価格の上昇です。欧州産の梁向けラミナ(4~6月期)は前四半期比で2割価格が上昇しています。この値上がりは3四半期連続で、最高値にあります。住宅需要の旺盛な米国に木材が流通するため欧州で木材価格が上昇、日本は必要量を確保するために値上げを受け入れざるを得ません。林野庁によれば、2020年10~12月時点で集成材の国内生産量は前年同期と比べて15%減少しています。材料不足で、国内生産のカットを余儀なくされているところが増えています。

新設住宅着工数は減る一方で、新型コロナの影響により在宅勤務用のスペースが確保できる戸建て住宅の受注が都内を中心に目立ってきており、流通市場では木材の品薄が続きます。

集成材と競合する米松も価格上昇が続いています。原料の米松丸太の値上がりに加え、海上運賃も高止まりしているため、国内の米松製材大手も昨年から断続的に値上げをしています。

木材不足と価格上昇を受けて、プレカットメーカーは受注制限を始めました。これにより住宅の着工に遅れが出るのも時間の問題となります。プレカットメーカーが徐々にハウスメーカーへの販売価格を上げていても、さらに値上げをしないと木材上昇分の埋め合わせができないのだそうです。

住宅の建築費用全体で占める割合でいえば、木材の価格は1割程度ですが、この高値がデフォルトになってくると住宅メーカーの収益を圧迫し、住宅価格の上昇にもつながる可能性があります。

(サムネイル画像元:https://www.rinya.maff.go.jp/j/kokuyu_rinya/gaiyo/mokuzai_hanbai/

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