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【お金】空家コスト、思わぬ額になることも

こんにちは。住宅比較の森田です。

今、相続で引き継いだ家に誰も住まず空家になるケースが全国で増えています。総務省が5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」によると2018年は5年前比で3.6%増え、住宅総数に占める割合は13.6%と過去最高でした。この割合は約7戸に1戸が空家にあたるということです。相続した家が遠方だったりすると、管理が杜撰になることもしばしば。じつは最近こうした空家に対する対策が施行されていることをご存じでしょうか。いつか売ろうと放置した結果おもわぬ税金を課せられてしまうかも?今回は2021年7月24日の日経新聞より、空家を相続したときにかかるコストについてご紹介します。

人が住んでいない空家でも一定の費用が必要になるのが一般的です。

・土地や建物を所有するとかかる年一回の固定資産税

・掃除など定期的な手入れをする際に必要な水道光熱費

・万一の火事に備える火災保険料

・戸建の場合は庭木の剪定や除草の費用

・自然災害や経年劣化への臨時の修理費

上記は見積もっておく必要があります。さらに市街化区域に不動産を所有している場合に注意したいのは固定資産税を原則とした都市計画税です。費用に占める割合が大きいうえ、空家の管理を怠っていると住宅用地に適用される税軽減の特例の対象から外れてしまう可能性があるのです。

固定資産税や都市計画税の税額は、税計算のもとになる課税標準額に税率をかけて出します。家屋は経年劣化を考慮した建物の評価額がそのまま課税標準額になります。一方住宅用地は公示価格の約7割をめどに決める評価額を引き下げる特例があります。小規模住宅用地への減税です。具体的には土地の200㎡以下の部分について固定資産税では6分の1、都市計画税では3分の1になります。

しかし家を放置し、市町村から「特定空き家」に指定されると特例を受けられない場合があります。特定空き家は2015年施行の空き家対策特別措置法などで導入された制度で、所有者に適正な管理を促すのが目的です。流れは下図の通りです。

「勧告」を受けても必要な対応をしないと税軽減の特例が適用外になり、税負担が大幅に増える可能性があります。固定資産税と都市計画税負担合計が4倍弱になることも。さらに固定資産税のみの区域にある宅地は6倍の税負担になる場合もあるとのことです。要請を拒み続けると、50万円以下の過料を科す「命令」、さらに市区町村が家屋などを強制撤去する「行政代執行」に進みます。この解体費用は原則所有者負担です。

国土交通省によると、特定空き家の指定を受けたのは19年度までの5年間で約2万件。このうち固定資産税などの特例が適用されない勧告処分になったのは約7%です。しかし油断は禁物。相続した家を売却する予定でも、立地などの条件によっては難航するケースは少なくなく、保有期間が長引いて管理を怠った結果、だれでも勧告対象になる可能性はあります。

対策としては、相続人の間で早めに話し合いをすること。誰も住まないのであれば、売却・賃貸を検討し、難しければ引き継ぐ人を決めます。税負担を含めた維持費を早めに見積もることも重要です。家を相続した人が全額負担するのか、相続人の間で分担をするのかを決めておくことで、もめ事を防ぐことにもつながります。

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